語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

「黄色い電車」の呼称についての考察
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    「黄色い電車」の呼称についての考察

     

     結論から書くと、「JR東日本の、千葉〜三鷹を結んで(注1)各駅に停車し、黄色い帯の入った電車(以下、黄色い電車)で運行される運行系統(注2)の呼称を、『総武中央線各駅停車』で統一、周知徹底してほしい」と考える。

     正式な路線名は、千葉〜錦糸町が総武本線、錦糸町〜御茶ノ水が総武本線の支線、御茶ノ水〜三鷹が中央本線(注3)であるが、旅客向けの案内では、他の多くの路線と同様(注4)、正式な路線名ではなく、運行系統としての名称が用いられている。

     現状では呼称は統一されておらず、「中央・総武線」「中央・総武線(各駅停車)」「中央線・総武線各駅停車」「中央・総武各駅停車」「総武・中央線(各駅停車)」「総武線・中央線各駅停車」「中央線(各駅停車)」「総武線各駅停車」「総武線(各駅停車)」と、多様な表記または放送案内がなされている。

     1969年以来、現在とほぼ同じ形態の運行系統であるのに、呼称が統一されないまま50年も放置されているのは常識的に考えてもおかしいし、乗り慣れている人はともかく、特に毎年地方から上京してくる新大学生や新社会人、外国人旅行者などには混乱の元でもあろう。

     ではどのように統一したらよいか。現状の表記を見ると「中央・総武〜」のように「中央」を先に持ってくることが多いようだが、冒頭にも書いたように「総武中央線各駅停車」と「総武」を先にし、ナカグロは入れないのがいいと思う。

     

    ・「総武」を先、「中央」を後にした方がいい理由:

     一般には、あの黄色い電車を「総武線」と認識している、またはそう呼ぶ人が多い。黄色い電車が中央線「も」走ることを知っている人はもちろんいるが、それで混乱を招くことはない。

     逆に単に「中央線」と言った場合、多くの人がまず思い浮かべるのは、中央快速線を走るオレンジ色の電車である。雑誌「東京人」(都市出版)では「中央線の魔力」という特集をたびたび組んでいるが、いずれの号の表紙にもオレンジ色の201系やE233系のイラストが描かれている。

     実話として、水道橋や東中野に中央線各駅停車で行くと言ったら「え、あの黄色い電車は総武線でしょ」と怪訝に思われたことがある。

     また近年導入された駅ナンバリングにおいて、当運行系統の略号は「JB」だ。当然「SOBU」のBと思われ、JR自身も「総武線」だと思っているのである。

     

    ・ナカグロを入れない方がいい理由:

     似た例である、京浜東北線、湘南新宿ライン、上野東京ラインにはいずれもナカグロを入れていない。ナカグロを入れるのは、より必要性が増した場合の最小限に留めるのがよい。例えば「京浜東北・根岸線」「横須賀・総武快速線」のように、いったん呼称が定着した運行系統が他の運行系統と直通、一体運用する場合などである。

     また1文字とはいえ、さまざまな点で経済的である(現状でこれにナカグロがあるだけの「総武・中央線各駅停車」表記は、老朽化に伴う更新の際などに徐々に改めていけばよい)。

     

     ちなみに、似たような形態で運行される京浜東北線と比べて、現状では表記の揺れが甚だしいが、理由はよくわからない。国鉄当時の千葉鉄道監理局と東京西鉄道管理局の仲が悪かったのだろうかなどと邪推してしまう。

     一つ言えるのは、京浜東北線の場合は「京浜」という、路線の正式名称には使われていない「愛称」を名前の最初に持ってきたことが、呼称の統一・普及に一役買ったのではないか。

     これをもし「東海道・東北線各駅停車」などとしていたら、総武中央線各駅停車と同様の混乱を来していたであろう。一方で、以前は京浜東北線のことを京浜線あるいは京浜電車と呼ぶ人も多くいて、その場合は京浜急行と間違われることもあったのではと想像する。京浜急行が「京急」を強調するようになってだいぶ解消されたと思われる。

     現在の運行形態が確立した当時か、または少なくとも京葉線ができる前であれば、京浜東北線にならって、例えば「京葉中央線」などとできたかもしれない(「京葉」は京葉工業地帯や京葉道路などでなじみがあるので、定着しやすかったのではないか)。しかし、実際にはすでに京葉線が開業しているし、今からそのように変えるのはかえって混乱の元だろう。

     また「千葉三鷹ライン」なども、近年の湘南新宿ラインや上野東京ラインのように、何か新しい運行系統ができたのかと誤認させてしまう。

     やはり「総武中央線各駅停車」で統一するのがわかりやすいし、現状からの移行に際しても混乱が少なく、望ましいと考える。

                                                                                                                                                                         (Command Z)

     

    注1:

     途中駅を発着する電車も多数ある。また深夜早朝には一部、武蔵小金井、国分寺、立川まで直通する列車もある。

    注2:

     早朝深夜は運行形態が変わるが(黄色い電車は千葉〜御茶ノ水間で折り返し運転、東京〜御茶ノ水〜高尾間はオレンジ色の電車が、各駅停車、快速の両方も使用される)が、この記事ではひとまずそれ以外の時間帯について述べた。深夜早朝については現状どおり、表示板等は昼間のままとし、案内放送等で補足説明するので十分と考える。

    注3:

     さらに厳密には代々木〜新宿は山手線である。

    注4:

     例えば山手線は、正式には品川〜新宿〜田端のみを指す。

     

    | co-verita | 校正者の暮らし | 09:35 | - | - | - | - |
    山手線の車内案内表示
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      山手線の車内案内表示

       

       このたび新たにブログを書くことになりました「command Z」です。コマンドズィーまたはコマンドゼットとお読みください。日常業務では雑誌の校正・校閲を担当しています。どうぞよろしくお願いします。

       当ブログには、校正・校閲の仕事をしていて考えたこと感じたこと、世の中の言語表現・表記・表示等に関すること、その他の話題について書いていこうと思います。(ここからは常体で失礼します。)

       通勤でほぼ毎日JR山手線を利用している。最近の多くの通勤型車両と同様、山手線車両の車内にも、客室ドア上部に液晶ディスプレーが設置され、これから停まる駅・到達時分・乗り換え路線等が表示される。便利な機能ではあるのだが、山手線に関しては違和感を覚えるのも事実である。どういうことか、最新型車両であるE235系の例で説明しよう。

       ディスプレーの表示は、数種類の内容が切り替わるようになっているが、いま問題にするのは以下の2種類だ。いずれの写真も原宿駅から渋谷駅に向かう内回り電車の車内で撮影したものである(実際にはそれぞれがさらに多言語で切り替わって表示される)。

       写真1は、これから停まる駅が5駅先まで表示される内容である。電車の進行方向に対して右側に設置されたディスプレーを撮影したものだ。この写真で言うと実際の電車は左に向かって進んでおり、画面内の進行方向と一致していて(斜めに弧を描いてはいるが)問題ない。ところが、実は進行方向左側のディスプレーにも全く同じ内容が表示されているのだ。つまり左側のディスプレーでは、電車と画面内の進行方向とが逆向きになってしまう。これがまず違和感を覚える点である。

       

       

        また写真2は、山手線の路線全体が表示される内容だ。1と同じく右側のディスプレーを撮影したもので、やはり電車は左に進んでいるのだが、ご覧のように画面内の表示では右に進んでいて逆向きだ。ちなみにこのときも、左側のディスプレーにはこれと同じ内容が表示されるので、左側のディスプレーについては、電車と画面内の進行方向が一致する。しかし電車と画面内の進行方向が一致するのが、1では進行方向右側、2では左側と違っているのも変な話である。

       そして、2では画面内の6時の位置に田端駅、12時の位置に大崎駅と五反田駅が表示されているが、この位置関係は電車が路線のどこの区間を走っていても変わらない。だから、内回り電車の右側のディスプレーについては、神田〜田端〜新大久保の区間を走っている間は、電車と画面内の進行方向が一致する(左側のディスプレーでは逆向きになる)。

       さらに外回り電車を見てみよう。2については駅の位置関係は内回りのときと同じで、進行方向を示す矢印が内回りと逆向き(時計回り)になるだけだが、1についてはカーブの向きが内回りと逆向きに(下から斜め右上に向かうように)表示される。内容自体は内回りと違えてあるものの、左右のディスプレーに同じ内容が表示されるのは内回りと同様なので、今度は左側のディスプレーでは電車と画面内の進行方向が一致するが、右側のディスプレーでは逆向きになってしまう。

       以上が、私が覚えた違和感である。ご存じのことと思うが、山手線は環状運転を行っており、しかも路線全体の形は縦(南北方向)に長いいびつな楕円形なので、これを横長の画面に収めるにはいろいろ齟齬が生じるとは思う。しかし、旧来の紙に印刷した路線図や、固定されて動かせないタイプの表示器とは違い、現在のディスプレーの表示内容は、プログラムによってかなり自由に変えられるはずである。1では車両の左右の側で表示の向きを変えて、左右の両側とも実際の電車と画面内の進行方向を一致させる、2では電車が進むに従って路線図を回転させ、どこの区間を走っていても電車と画面内の進行方向を一致させるなどは、そう難しくないことだと思われるがどうだろう。

       筆者は、山手線の案内表示が上に述べたようであっても、それが原因で、行きたいのと逆方向の電車に乗ったり、降りる駅を間違えたりすることはない。しかし空間認識が苦手で、実際の電車と画面内の進行方向が一致していないと混乱してしまう人などもいるのではないだろうか(発達障害、学習障害、バリアフリー、ユニバーサルデザイン、インフォグラフィック等に関連すると思われるが、ここではひとまず踏み込まない)。こういったところにも「人に優しいデザイン」が求められると考える。                                     

                                                                                                                                                                       (command Z)

      補注1:

       ただし実は「実際の進行方向にかかわらず、表示の向きが一定である方がわかりやすい」人もいるのである。

       カーナビの画面表示について、多くの人は常に車の進行方向が上になる(車が向きを変えるに従って画面も回転する)ように設定している(あるいはデフォルトの設定がそうなっている)と思われるが、筆者が知る範囲では1人だけ、常に北が上になるように設定している友人がいる。

       今回この記事を書くにあたってその友人に尋ねてみたところ、山手線車内の路線図の表示(上で言う写真2)についても、カーナビと同様、回転しない方がわかりやすいとのことであった。「少数派かもね」とも言っていた。「全ての人に優しい」がいかに難しいことか痛感したし、一方ではデザインについていっそう興味が深まった次第である。

      補注2:

       他形式の車両や、環状運転を行っている他線(JR大阪環状線、都営地下鉄大江戸線、名古屋市営地下鉄名城線、札幌市電等)についても、機会を作って調査してみたい。

       

      | co-verita | 校正者の暮らし | 13:37 | - | - | - | - |
      新年ランチ会を開催
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        1月26日、恒例の新年ランチ会を開催しました

         

        26日土曜日、新宿区内のとあるホテルレストランにて、恒例の新年ランチ会をおこないました。

        インフルエンザが猛威を振るうなか、そのせいで参加できない人もチラホラ。それでも、全部で33人が参加して、飲んだり食べたり、おしゃべりを楽しみました。

        毎年1月・7月下旬の土曜日と、おこなう日は決まっているのですが、どこで開くかでは毎回苦労しています。今回はまた特に、年末の仕事が押せ押せでランチ会を計画する余裕がなく、年が明けて仕事が始まってから、慌てふためいて設定に動く始末。メンバーの皆さん、申し訳ありませんでした!

        それでも、お料理もまずまずでしたし、半年ぶりに合わせる顔、新入社員やフリーランスでも新人の皆さんと初顔合わせをおこない、和気藹々と言葉を交わして、楽しい会でした。 

           (Joe Zets)

         

        | co-verita | イベント報告 | 20:18 | - | - | - | - |
        私の抱負
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          私の抱負

           

           2019年が始まりました。新しい年になったからどうなんだ、という気もしますが、前回の投稿から間が空いたので、心機一転の意味も込めて今後の抱負を書きます。

           

          1、簡潔な文章を書く

          「語り継ぐVERITA」で文章を書き始めてから2年が過ぎました。正確な文章を第一に心がけ、誤ったことは表に出さなかったつもりです(昨年9月8日投稿「最近の失敗談」のように未遂はありましたが)。でも、読み返してみると文章が冗長でくどい。一目で要旨がつかめる、そんな文章を目指します。妙案はありませんが。

           …これは抱負というより、喫緊の課題です。昨年末から残業が増え、帰宅後は入浴して寝るだけ、なんて日もありました。平日も推敲や論拠探しにあたっていた遅筆の私にはちょっとつらい状況で、従来とは違う書き方が求められているというわけです。

           

          2、しっかり休み、しっかり動く

           昨年中盤から首の後ろ側が痛むように。これまでになかった症状です。健康診断で医者に相談するとパソコンの見過ぎでしょう、とのこと。一昔前に比べたらパソコンを見る時間は減ったと思うのですが、年をとる、というのはこういうことなんでしょうか。体力がないことでは定評があり、老化なんて関係ないだろ、と思っていましたが、やはり変化は訪れるようです。幸い現時点で健康診断の結果は良好なので、今のうちから生活スタイルをメリハリのあるものに変えていこうと思います。

           

          3、仕事は仕事、読書は読書

           ヴェリタに入社して以来、プライベートの読書も仕事の延長線上と位置づけ、誤字脱字などを意識して読むようにしていました。しかし、市販の本に間違いがそうそうあるものではなく、仕事の質が目に見えて向上したかというと定かではなく。一方で本を読む速度は目立って遅くなり、読書量が減りました。図書館が家の近くにあって読書環境は最高なのに、読むのが遅くて、貸出期限内に読了できないのでページ数の多い本は手が出ませんでした(書店で買うという選択肢もありますが、家に置くスペースがないし、古い本でも極力捨てたくない)。今年からは方針を転換し、プライベートは仕事のことを忘れて、手あたり次第に読んでいきます。

           

           以上、抱負でした。じっくり取り組む所存です。

          (てーるはっぴー)

          | co-verita | 校正者の暮らし | 13:17 | - | - | - | - |
          2019年年初のご挨拶
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            2019年年初のご挨拶

             

            読者のみなさま、ヴェリタ関係者のみなさま、明けましておめでとうございます。

            みなさまお元気でよい年をお迎えのことと存じます。

            私たちは、仕事の量が格段に増えていつもアップアップしていた2018年を何とかのりこえて、新しい年を迎えました。この新年は、新しい社員のメンバーが増えたこともあり、かつまた雑誌の仕事が若干手隙になったこともあって、静かにのんびりと推移しています。

             

            会社の新体制――執行役員制度の導入や、それにともなう社内の整備に踏み切った一昨2017年の年頭から丸2年を経て、今年は事業承継の目鼻がたつかどうか、会社全体の成長や力量の充実が問われる年です。

            3年経てばすっきり承継のメドがたつとはとてもいえない、そんなに簡単ではない、というのが2年を経過しての実感ですが、今年1年でやりきっていくべき課題は大きいと思っています。

            とくに、私たちをとりまく政治・社会の環境は、戦後始まって以来ともいえるほどに厳しいものとなっています。全世界であふれかえるポピュリズムの波が戦後を領導してきたアメリカを襲い、いまや世界の第2勢力となった中国と角逐する趨勢となっています。日本は、アメリカ・中国、そして一番仲のよい関係であるべき韓国とも、ギスギスした軋轢を生じており、その中で消費税導入という試練にさらされようとしています。

            こうした環境のもと、校正というニッチな業界で、全般的には出版不況と呼ばれる現実に直面しながら、どこまで私たちがこの仕事を発展させ、堅実に前進していくことができるのか、不断の挑戦が問われる年が2019年であるでしょう。

             

            私たちヴェリタは、お取引先各位、友人知人のみなさまのお引き立てを頼りに、全メンバーが心を一つにしてこの課題に挑戦し、成果を上げていきたいと思います。

            なにとぞよろしくお願い申し上げます。

            (株)ヴェリタ 代表取締役 渡邉純子

            | co-verita | - | 14:20 | - | - | - | - |
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