語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

校正者は専門的・技術的な仕事では? 
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    校正者は専門的・技術的な仕事では?

        ――同一労働同一賃金協定に思う――

     

    ……労使協定調印とのこと、承知いたしました。

    厚労省の職業分類による職種では、私たちは「校正作業員」ですね。
    昔、ハローワークで仕事を探していたとき、「校正」の分類があるのを知って単純にうれしかった記憶がありますが、給与水準は低いところが多かったように思います。

    校正作業員……引き合わせ校正が中心だった昔の校正のイメージがそのまま残っている気がします。
    「印刷・製本作業員」の中のひとつになっていますが、個人的には校正者は専門的・技術的な仕事だと思っています。

    数年前に放送された校閲のドラマなどの影響もあってか、校閲の仕事の認知度は昔より高くなっていると感じます。校正・校閲に関するセミナーや講座なども人気があり、本業が校正という人は少ないのかもしれませんが、この仕事に興味がある人は多そうです。
    校正・校閲の仕事とは実際にこんな仕事だと世間に広く知ってもらうこと、校正者である私たち一人一人がこの仕事に誇りをもって、誠実に取り組むことが大事なのではないかと思います。
    そして職業分類での「校正作業員」が、いつか「“専門的・技術的な”校正者」に変わっていき、給与水準も上がっていったらいいですね。

    校正の勉強を始めてから30年以上がたちますが、まだまだ修業中です。今まで身につけた知識をアップデートし、技術を向上させて、今後の仕事に生かしていきたいと考えています。

                            (KatsujiとRuby)

     

    ※管理者より

    4月1日から施行された「働き方改革」に基づく「同一労働同一賃金労使協定」を、当社でも作成し調印しました。

    この問題は、多くの仲間に議論を呼びました。「校正者は印刷作業員である」という規定に、考えさせられた人々が

    多かったようです。その中から、真摯な意見のひとつをご紹介します。

     

    | co-verita | 校正者の暮らし | 16:25 | - | - | - | - |
    そういえば今年の初めに…
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      そういえば今年の初めに…

       

       「語り継ぐVERITA」で連載を開始してから3年。これまで休養もありましたが、基本的に2週間に1回のペースで投稿してきました。大抵は前半の1週間で主題を決めて構成を考え、後半の1週間で文章を推敲するのが常ですが、前回の投稿から1週間経っても何を書こうか全然思い浮かびません。主題を決められないなんてこれまでほとんどなかった経験です。

       最近「桜を見る会」が話題になっていますが、正直言葉を尽くして書こうという気が起きません。75日も経たないうちにどうせ皆さんケロッと忘れるんだろうな、としか思えませんから。皆さんいろいろ言い分はあるんでしょうけど、結局は

       

      強そうな相手には黙ってシッポを振る

       

      ということでしょ。

       …そんなことを考えていたら、もう12月。今年もあと1カ月を切りました。年の初めに抱負を書いていたことを思い出し、どれだけ実現できたか確認してみることに。私に限らず年初に書いたことなんて忘れるものだと思いますが、あまりにも何も思い浮かばないので。

       

      1、簡潔な文章を書く

       …読んでもらえば分かると思いますが、まったくと言っていいほど出来ませんでした。抱負を立てた当時多かった残業はその後大幅に減り、簡潔な文章を書く必要に迫られない環境になりました。おかげで今まで通りの文章を書いていても大丈夫だった、というわけです。とはいえ、いつ環境が激変するか分からないので、その時に備えるべく少しずつでも努力していくつもりです。

       

      2、しっかり休み、しっかり動く

       抱負を立ててから以前よりも休養や規則正しい生活を意識するようにはしましたが、成果が出てきたのはオフィス移転あたりから。理由はよく分かりませんが、以前よりも開放感のあるオフィスなのがいいのかも。首の後ろ側の痛みも以前よりだいぶ楽になりました。ただし休日にドカッと来ることも(苦笑)。

       

      3、仕事は仕事、読書は読書

       仕事の延長線上という意識から解放されて、伸び伸びと本が読めた1年でしたが、読んだ本の冊数は大して変化がなかった気が。テレビ番組の録画の取りだめを消化するのに時間を取られたのが原因か、2度見している番組も多いし。ネットの方はひと頃ほど使う時間は減りましたが、ジャパンナレッジやらエンカルタやら世界史の窓やら知識欲をそそるコンテンツが最近一層充実。いろいろ目移りして気持ちが空回りしてしまい、落ち着きを失っていることが読書にも悪影響を及ぼしているのかもしれません。1日が30時間くらいあればいいんですけどね。

       

       以上、今年の抱負を振り返ってみました。2は順調、3はもう一工夫必要として、今後の最重要課題は1でしょう。ただ、時事問題を簡潔に書いたら「強そうな相手には黙ってシッポを振るということでしょ」ですべて片付いちゃいそうですが…。

      (てーるはっぴー)

      | co-verita | 校正者の暮らし | 23:49 | - | - | - | - |
      ラビューの前売り特急券を購入する
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        ラビューの前売り特急券を購入する

         

         3月、秩父へ1泊2日の温泉旅行に出かけた。旅行らしい旅行は久々である。しかし本稿の主題は旅行ではない(笑)

         

         旅行の計画自体は数カ月前から立てていた。さらにその前から、西武鉄道がニューレッドアロー以来25年ぶりに、斬新なデザインの新型特急車両「ラビュー(Laview)」を開発中であることを知っていた。そして「ラビュー、デビュー間近」のニュースが入ってきた。

         具体的な日付はまだ書かれていなかったが、考えてみると、近々JRのダイヤ改正が予定されており、通例だと私鉄各社もそれに合わせてダイヤを改正し、新型車両もそのタイミングで投入されることが多い。JRのダイヤ改正は3月16日。ラビューのデビューも同日になる可能性が非常に高い。そしてそれは旅行初日(往路)なのだ。

         デビュー初日は鉄道マニアが押しかけるかもしれないが、復路(17日)ならば前夜から並ばなくてもチケットが取れるのではないか(注:西武の特急列車は全便全席指定である)。特急券の発売日は、乗車日1カ月前の午前7時である。具合のいいことに、旅行は3月の土日なので、1カ月前も同じ曜日だ。3月17日の特急券を買うには、2月17日、日曜日の朝イチから並べば大丈夫だろう。発売駅は何カ所かあるが、自宅から行きやすいのは西武新宿だ。

         

         2月の早朝なので暗いし寒かったが、予定どおり地元の駅から始発電車で新宿に向かった。着いてみると出札窓口の前には誰も並んでおらず、いささか拍子抜けした。並ぶと言っても2時間程度で大したことはない。温かい缶コーヒーを飲んだりスマホでSNSを見たりして過ごした。

         6時を過ぎると駅員氏が現れて記入票などを準備し始め、「ラビューですか」と聞いてきた。「はい」「寒いのにすみませんね」「いえいえ」「昨日は結構並んだけどね」などと会話し、記入票を書いて提出する。

         7時少し前になると、席の希望はあるかと尋ねられた。ここでマニアの本領発揮である。せっかくなら「いい席」に座りたい。いい席とはどこか。考えていたことはこうだ。

         

        ・西武秩父〜池袋の列車は、全て飯能でスイッチバックする。

        ・西武秩父〜飯能は山がち(=夜間はさほど眺望が期待できない)の単線で距離が短く、飯能〜池袋は複線で長い。

        ・飯能〜池袋で先頭になる車両の、前の方の席がいいだろう。

        ・対向列車がよく見える、進行方向に対して右側の席がいいだろう。

        ・ラビューは側窓が非常に大きいのが特徴だが、窓1つで座席2列分、奇数列目より偶数列目の方が眺望がいいはず。

         

         具体的な号車番号や席番号はわからなかったので、駅員氏に対しては「飯能でスイッチバックしますよね。飯能〜池袋で先頭になる車両の、右側、前から2列目の2席を」とお願いした。

         こちらの意図は理解されたが、駅員氏も具体的な号車・席番号までは覚えていなかったようで、編成・座席を示した図を3人ほどで囲みながら「どっちだ?」などとやっている。

         しかし面倒だという様子はなく、むしろ楽しげ、誇らしげにも感じられた。そりゃあそうだろう、25年ぶりの新型特急車には社員としても期待を懸けているだろうし、真冬の早朝から並んで席にもこだわって乗ってくれる客なんだから(笑)

         

         購入後、右側にして良かったと思ったことがもう一点あった。車内の写真を見ると運転室後方(客室との仕切り部)にも大きな窓がしつらえてあり、客席からも前面の眺望は良さそうだが、乗るのは夜間だから、客室内照明の反射(映り込み)を防ぐため、運転席直後の窓はカーテンを閉めてしまうだろう。しかし多くの地下鉄のように、右側だけは開けておくなら、右側の座席からは前方が見えるわけだ(果たして実際そのとおりであった)。

         

         秩父で観梅、温泉、食事、山歩き等を楽しんだあと、ラビューに乗車して帰ってきた。実に快適であった。乗車時間が81分とそれほど長くないので、途中トイレには行かなかったが、客席だけでなくあちこち見ておけばよかったとちょっと反省した。しかし今後は現行のニューレッドアローをすべてラビューで置き換える予定だし、秩父のプチホテルも良かったので、季節を変えてまた旅行してみようと思う。(command Z

         

        | co-verita | 校正者の暮らし | 22:04 | - | - | - | - |
        町中華探検秘境派
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          町中華探検秘境派

           

           町中華探検隊という、緩やかなグループがある。

           町中華とは、主に炒飯・ラーメン・餃子などの料理を提供する、個人経営の大衆的な中華料理店で、カレーライス・オムライス・カツ丼などを出す場合もある。定義は人によって揺れがある。町中華以外の中華料理店には、ガチ中華・マジ中華・チャイナ・ラーメン店等がある。

           町中華探検隊は、滅亡の危機にある町中華の研究・記録を行い、主要メンバーはフリーライター、編集者、カメラマンなどだ。活動としては月刊「散歩の達人」(交通新聞社)への連載、著書2冊、CSテレビ番組「ぶらぶら町中華」への出演などがある。

           メンバーの1人が知人であることから、筆者も2015年、門前仲町での探検活動に参加し「入隊」した。ところが、探検隊の活動は主に平日の昼なのだが、筆者はその後、仕事が週刊誌の担当になったため、参加がほとんど不可能になった。

           しかし、であれば1人で(あるいは都合の合う知人と)独自に活動すればいいのだ(探検隊メンバーもそうすることがあり「ソロ活動」と呼ばれている)。というわけで、以来約4年間に60軒超の町中華を食べ歩いた。

           町中華に何を求めるかは、探検隊メンバーの中にも「流派」があるようだが(同じ店に何度も通うとか、極端な人だと「味はどうでもいい」とか)、それらも参考にしつつ、自分では以下のようなポリシーやパターンが、徐々に形成・確立されてきた。

           

          ・店舗の意匠や店主の人柄も大事だが、「その店を語れるかどうか」はあくまでプラスアルファ。

          ・自分は「味はどうでもよ」くはない派。と言っても「普通においしい」レベルを満たしていればOK。化調(化学調味料)もOK

          ・炒飯・ラーメン・餃子が基本の3品と言われているが(それには賛同)、炭水化物を控えているので、飯類・麺類は積極的には食べない(もちろんおいしそうな物があれば食べる)。

          ・一つのメニューがおいしければ総じて他もおいしいし、まずければまずいと思うので、自分がそのときに食べたい物を食べる。

          ・食べ物の好き嫌いがなく、チャレンジャーなので、聞いたことのない料理・他であまり見ない料理・その店独自の料理などは、積極的に頼むことが多い。

          ・主菜+半ライス+飲み物か、主菜+副菜+飲み物といったパターンが多い。飲み物はメニューにあればほとんどの場合、青島ビールを頼む。2杯目に行くなら紹興酒のグラス(小瓶、1号徳利)を常温で。

          ・以下を可能な範囲で観察・記録するか、写真に撮る:訪問日、時間帯、天気、店名、席数(カウンタ・テーブル・座敷)、建物・店舗の特徴、従業員の人数・性別・年代、客層・混み具合、卓上の調味料、備品(テレビorラジオ、新聞・週刊誌・漫画)、メニューの特徴、自分が注文した料理の感想、創業年(これのみは支払時に尋ねる)。

          ・独自にマジ中華やマジ台湾等も対象とする。

           

           探検隊本隊が取り上げている店にも行くが、本隊がまだ取り上げていない、マイナーな鉄道駅周辺・駅から離れた住宅地・地方にある店などに行くのが楽しみになった。

           葉山町森戸海岸「一番」(写真1)、大阪市西中島南方「新京」(写真2)、深谷市小前田「客隆軒」(写真3)、秩父市「天華」(写真4)、松戸市「山喜」(写真5)など、どこも印象に残っている。

           今後も機会を見つけては、特に普段行かない街で食事をするときは、極力町中華に行こうと思う。「隙あらば町中華」である。GWには京急大鳥居駅周辺の町中華を訪ねる予定だ。

           またある理由により東北地方の某新幹線駅周辺にも行きたいのだが、検索した限りでは駅から10km圏内には中華料理店がなく、駅から最も近いラーメン店は閉業してしまったようだ。しかし在来線に乗り換えて3駅目にはよさげな町中華があった。海沿いなので見晴らしがいいかもしれない。いずれ訪れてみようと思う。                         (command Z)

           

          | co-verita | 校正者の暮らし | 17:46 | - | - | - | - |
          「黄色い電車」の呼称についての考察
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            「黄色い電車」の呼称についての考察

             

             結論から書くと、「JR東日本の、千葉〜三鷹を結んで(注1)各駅に停車し、黄色い帯の入った電車(以下、黄色い電車)で運行される運行系統(注2)の呼称を、『総武中央線各駅停車』で統一、周知徹底してほしい」と考える。

             正式な路線名は、千葉〜錦糸町が総武本線、錦糸町〜御茶ノ水が総武本線の支線、御茶ノ水〜三鷹が中央本線(注3)であるが、旅客向けの案内では、他の多くの路線と同様(注4)、正式な路線名ではなく、運行系統としての名称が用いられている。

             現状では呼称は統一されておらず、「中央・総武線」「中央・総武線(各駅停車)」「中央線・総武線各駅停車」「中央・総武各駅停車」「総武・中央線(各駅停車)」「総武線・中央線各駅停車」「中央線(各駅停車)」「総武線各駅停車」「総武線(各駅停車)」と、多様な表記または放送案内がなされている。

             1969年以来、現在とほぼ同じ形態の運行系統であるのに、呼称が統一されないまま50年も放置されているのは常識的に考えてもおかしいし、乗り慣れている人はともかく、特に毎年地方から上京してくる新大学生や新社会人、外国人旅行者などには混乱の元でもあろう。

             ではどのように統一したらよいか。現状の表記を見ると「中央・総武〜」のように「中央」を先に持ってくることが多いようだが、冒頭にも書いたように「総武中央線各駅停車」と「総武」を先にし、ナカグロは入れないのがいいと思う。

             

            ・「総武」を先、「中央」を後にした方がいい理由:

             一般には、あの黄色い電車を「総武線」と認識している、またはそう呼ぶ人が多い。黄色い電車が中央線「も」走ることを知っている人はもちろんいるが、それで混乱を招くことはない。

             逆に単に「中央線」と言った場合、多くの人がまず思い浮かべるのは、中央快速線を走るオレンジ色の電車である。雑誌「東京人」(都市出版)では「中央線の魔力」という特集をたびたび組んでいるが、いずれの号の表紙にもオレンジ色の201系やE233系のイラストが描かれている。

             実話として、水道橋や東中野に中央線各駅停車で行くと言ったら「え、あの黄色い電車は総武線でしょ」と怪訝に思われたことがある。

             また近年導入された駅ナンバリングにおいて、当運行系統の略号は「JB」だ。当然「SOBU」のBと思われ、JR自身も「総武線」だと思っているのである。

             

            ・ナカグロを入れない方がいい理由:

             似た例である、京浜東北線、湘南新宿ライン、上野東京ラインにはいずれもナカグロを入れていない。ナカグロを入れるのは、より必要性が増した場合の最小限に留めるのがよい。例えば「京浜東北・根岸線」「横須賀・総武快速線」のように、いったん呼称が定着した運行系統が他の運行系統と直通、一体運用する場合などである。

             また1文字とはいえ、さまざまな点で経済的である(現状でこれにナカグロがあるだけの「総武・中央線各駅停車」表記は、老朽化に伴う更新の際などに徐々に改めていけばよい)。

             

             ちなみに、似たような形態で運行される京浜東北線と比べて、現状では表記の揺れが甚だしいが、理由はよくわからない。国鉄当時の千葉鉄道監理局と東京西鉄道管理局の仲が悪かったのだろうかなどと邪推してしまう。

             一つ言えるのは、京浜東北線の場合は「京浜」という、路線の正式名称には使われていない「愛称」を名前の最初に持ってきたことが、呼称の統一・普及に一役買ったのではないか。

             これをもし「東海道・東北線各駅停車」などとしていたら、総武中央線各駅停車と同様の混乱を来していたであろう。一方で、以前は京浜東北線のことを京浜線あるいは京浜電車と呼ぶ人も多くいて、その場合は京浜急行と間違われることもあったのではと想像する。京浜急行が「京急」を強調するようになってだいぶ解消されたと思われる。

             現在の運行形態が確立した当時か、または少なくとも京葉線ができる前であれば、京浜東北線にならって、例えば「京葉中央線」などとできたかもしれない(「京葉」は京葉工業地帯や京葉道路などでなじみがあるので、定着しやすかったのではないか)。しかし、実際にはすでに京葉線が開業しているし、今からそのように変えるのはかえって混乱の元だろう。

             また「千葉三鷹ライン」なども、近年の湘南新宿ラインや上野東京ラインのように、何か新しい運行系統ができたのかと誤認させてしまう。

             やはり「総武中央線各駅停車」で統一するのがわかりやすいし、現状からの移行に際しても混乱が少なく、望ましいと考える。

                                                                                                                                                                                 (Command Z)

             

            注1:

             途中駅を発着する電車も多数ある。また深夜早朝には一部、武蔵小金井、国分寺、立川まで直通する列車もある。

            注2:

             早朝深夜は運行形態が変わるが(黄色い電車は千葉〜御茶ノ水間で折り返し運転、東京〜御茶ノ水〜高尾間はオレンジ色の電車が、各駅停車、快速の両方も使用される)が、この記事ではひとまずそれ以外の時間帯について述べた。深夜早朝については現状どおり、表示板等は昼間のままとし、案内放送等で補足説明するので十分と考える。

            注3:

             さらに厳密には代々木〜新宿は山手線である。

            注4:

             例えば山手線は、正式には品川〜新宿〜田端のみを指す。

             

            | co-verita | 校正者の暮らし | 09:35 | - | - | - | - |
            山手線の車内案内表示
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              山手線の車内案内表示

               

               このたび新たにブログを書くことになりました「command Z」です。コマンドズィーまたはコマンドゼットとお読みください。日常業務では雑誌の校正・校閲を担当しています。どうぞよろしくお願いします。

               当ブログには、校正・校閲の仕事をしていて考えたこと感じたこと、世の中の言語表現・表記・表示等に関すること、その他の話題について書いていこうと思います。(ここからは常体で失礼します。)

               通勤でほぼ毎日JR山手線を利用している。最近の多くの通勤型車両と同様、山手線車両の車内にも、客室ドア上部に液晶ディスプレーが設置され、これから停まる駅・到達時分・乗り換え路線等が表示される。便利な機能ではあるのだが、山手線に関しては違和感を覚えるのも事実である。どういうことか、最新型車両であるE235系の例で説明しよう。

               ディスプレーの表示は、数種類の内容が切り替わるようになっているが、いま問題にするのは以下の2種類だ。いずれの写真も原宿駅から渋谷駅に向かう内回り電車の車内で撮影したものである(実際にはそれぞれがさらに多言語で切り替わって表示される)。

               写真1は、これから停まる駅が5駅先まで表示される内容である。電車の進行方向に対して右側に設置されたディスプレーを撮影したものだ。この写真で言うと実際の電車は左に向かって進んでおり、画面内の進行方向と一致していて(斜めに弧を描いてはいるが)問題ない。ところが、実は進行方向左側のディスプレーにも全く同じ内容が表示されているのだ。つまり左側のディスプレーでは、電車と画面内の進行方向とが逆向きになってしまう。これがまず違和感を覚える点である。

               

               

                また写真2は、山手線の路線全体が表示される内容だ。1と同じく右側のディスプレーを撮影したもので、やはり電車は左に進んでいるのだが、ご覧のように画面内の表示では右に進んでいて逆向きだ。ちなみにこのときも、左側のディスプレーにはこれと同じ内容が表示されるので、左側のディスプレーについては、電車と画面内の進行方向が一致する。しかし電車と画面内の進行方向が一致するのが、1では進行方向右側、2では左側と違っているのも変な話である。

               そして、2では画面内の6時の位置に田端駅、12時の位置に大崎駅と五反田駅が表示されているが、この位置関係は電車が路線のどこの区間を走っていても変わらない。だから、内回り電車の右側のディスプレーについては、神田〜田端〜新大久保の区間を走っている間は、電車と画面内の進行方向が一致する(左側のディスプレーでは逆向きになる)。

               さらに外回り電車を見てみよう。2については駅の位置関係は内回りのときと同じで、進行方向を示す矢印が内回りと逆向き(時計回り)になるだけだが、1についてはカーブの向きが内回りと逆向きに(下から斜め右上に向かうように)表示される。内容自体は内回りと違えてあるものの、左右のディスプレーに同じ内容が表示されるのは内回りと同様なので、今度は左側のディスプレーでは電車と画面内の進行方向が一致するが、右側のディスプレーでは逆向きになってしまう。

               以上が、私が覚えた違和感である。ご存じのことと思うが、山手線は環状運転を行っており、しかも路線全体の形は縦(南北方向)に長いいびつな楕円形なので、これを横長の画面に収めるにはいろいろ齟齬が生じるとは思う。しかし、旧来の紙に印刷した路線図や、固定されて動かせないタイプの表示器とは違い、現在のディスプレーの表示内容は、プログラムによってかなり自由に変えられるはずである。1では車両の左右の側で表示の向きを変えて、左右の両側とも実際の電車と画面内の進行方向を一致させる、2では電車が進むに従って路線図を回転させ、どこの区間を走っていても電車と画面内の進行方向を一致させるなどは、そう難しくないことだと思われるがどうだろう。

               筆者は、山手線の案内表示が上に述べたようであっても、それが原因で、行きたいのと逆方向の電車に乗ったり、降りる駅を間違えたりすることはない。しかし空間認識が苦手で、実際の電車と画面内の進行方向が一致していないと混乱してしまう人などもいるのではないだろうか(発達障害、学習障害、バリアフリー、ユニバーサルデザイン、インフォグラフィック等に関連すると思われるが、ここではひとまず踏み込まない)。こういったところにも「人に優しいデザイン」が求められると考える。                                     

                                                                                                                                                                               (command Z)

              補注1:

               ただし実は「実際の進行方向にかかわらず、表示の向きが一定である方がわかりやすい」人もいるのである。

               カーナビの画面表示について、多くの人は常に車の進行方向が上になる(車が向きを変えるに従って画面も回転する)ように設定している(あるいはデフォルトの設定がそうなっている)と思われるが、筆者が知る範囲では1人だけ、常に北が上になるように設定している友人がいる。

               今回この記事を書くにあたってその友人に尋ねてみたところ、山手線車内の路線図の表示(上で言う写真2)についても、カーナビと同様、回転しない方がわかりやすいとのことであった。「少数派かもね」とも言っていた。「全ての人に優しい」がいかに難しいことか痛感したし、一方ではデザインについていっそう興味が深まった次第である。

              補注2:

               他形式の車両や、環状運転を行っている他線(JR大阪環状線、都営地下鉄大江戸線、名古屋市営地下鉄名城線、札幌市電等)についても、機会を作って調査してみたい。

               

              | co-verita | 校正者の暮らし | 13:37 | - | - | - | - |
              私の抱負
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                私の抱負

                 

                 2019年が始まりました。新しい年になったからどうなんだ、という気もしますが、前回の投稿から間が空いたので、心機一転の意味も込めて今後の抱負を書きます。

                 

                1、簡潔な文章を書く

                「語り継ぐVERITA」で文章を書き始めてから2年が過ぎました。正確な文章を第一に心がけ、誤ったことは表に出さなかったつもりです(昨年9月8日投稿「最近の失敗談」のように未遂はありましたが)。でも、読み返してみると文章が冗長でくどい。一目で要旨がつかめる、そんな文章を目指します。妙案はありませんが。

                 …これは抱負というより、喫緊の課題です。昨年末から残業が増え、帰宅後は入浴して寝るだけ、なんて日もありました。平日も推敲や論拠探しにあたっていた遅筆の私にはちょっとつらい状況で、従来とは違う書き方が求められているというわけです。

                 

                2、しっかり休み、しっかり動く

                 昨年中盤から首の後ろ側が痛むように。これまでになかった症状です。健康診断で医者に相談するとパソコンの見過ぎでしょう、とのこと。一昔前に比べたらパソコンを見る時間は減ったと思うのですが、年をとる、というのはこういうことなんでしょうか。体力がないことでは定評があり、老化なんて関係ないだろ、と思っていましたが、やはり変化は訪れるようです。幸い現時点で健康診断の結果は良好なので、今のうちから生活スタイルをメリハリのあるものに変えていこうと思います。

                 

                3、仕事は仕事、読書は読書

                 ヴェリタに入社して以来、プライベートの読書も仕事の延長線上と位置づけ、誤字脱字などを意識して読むようにしていました。しかし、市販の本に間違いがそうそうあるものではなく、仕事の質が目に見えて向上したかというと定かではなく。一方で本を読む速度は目立って遅くなり、読書量が減りました。図書館が家の近くにあって読書環境は最高なのに、読むのが遅くて、貸出期限内に読了できないのでページ数の多い本は手が出ませんでした(書店で買うという選択肢もありますが、家に置くスペースがないし、古い本でも極力捨てたくない)。今年からは方針を転換し、プライベートは仕事のことを忘れて、手あたり次第に読んでいきます。

                 

                 以上、抱負でした。じっくり取り組む所存です。

                (てーるはっぴー)

                | co-verita | 校正者の暮らし | 13:17 | - | - | - | - |
                無趣味人間の生活と悩み
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                  無趣味人間の生活と悩み

                   

                   最近ブログへの投稿が、社会時評が続いて一本調子になってきました。少し趣向を変えて身の回りのことを書こうかと振り返れば、ここ1、2年、平日は仕事、休日は部屋の掃除などの家事をした後で主に読書やテレビ番組を見て過ごす、というあまり代わり映えのない生活。特筆するようなことがありません。

                   趣味がたくさんあれば生活も変化に富んだものになるのでしょうが、読書以外に趣味といえるものがありません。読書は趣味の範疇には入らないという意見もあるので、無趣味といった方がいいかもしれません。

                   なぜ趣味がないのか。運動神経が悪いのでスポーツはやらないし、不器用だから何かを作るという方向にも進まない。そして集団行動が苦手なので、誰かと何かを楽しむという発想が出にくい。結果、趣味らしい趣味を持たない、ということになるわけです。

                   他人から見ればつまらない生活と思われるかもしれませんが、意外と楽しいものです。本にしてもテレビにしても日々新しい情報が積み重なっていくので、読み尽くす・見尽くすということは起きません。また、以前読んだ本でも、その日の気分や知識量の変化によって受け止め方が変わってきます。

                   それに、「あまり代わり映えのない生活」といっても、イレギュラーな事象は発生します。玄関に油だまりがある状態が数日続き、原因を調べたらドアクローザーの接合部から油が漏れているのを発見したり(後日業者に修理してもらいました)、電気カミソリの外刃に穴が開き、近所の電気屋に行ったら在庫が見つからず遠出する羽目になったり。予想もしないところからいろんなことが起きて退屈しません。

                   そんなこんなで無趣味であっても、主観的には充実した生活を送れていると思いますが、最近少し悩みが。平日に夜更かしなどして生活リズムを乱すと、休日にツケが回ってくるのか体がだるくて一日中やる気が起きない、ということがあります。しっかり早寝早起きをして自律神経の調子を整えればいいだけなのでしょうが、趣味があったら体を動かすモチベーションができてもっと生き生きとした休日を過ごせるのかな、とも思います。明確な答えはありませんが焦らずじっくり考えてみます、仮に無趣味でもそのことで他人に引け目をかんじることはないのだから。         (てーるはっぴー)

                  | co-verita | 校正者の暮らし | 23:57 | - | - | - | - |
                  趣味・読書
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                    趣味・読書

                    のみかたの趣味は読書です。校正者の趣味としては意外性がありませんが。好きなジャンルというものは特になく、なんでも手当たり次第に読む、いわゆる「雑食系」の読者です。仕事で単行本の校正をするときは、だいたいどんな種類の本でも楽しんで読むことができるので、そういう意味では天職なのかもしれません。

                    ただ、読んだ本にすぐ影響を受ける、というのは我ながら困った傾向だと思っています。これは校正の仕事を始める前からそうで、若いころから今日まで、なおる気配がまったくありません。若いころにドストエフスキーの『罪と罰』を読んだときにはしばらく他人の心理分析をすることに熱中しましたし、織田信長の小説を読んだあとは現代社会でうつけものとして生きるにはどうすべきか悩みました。すべての産地の紅茶を飲み比べたり、自分でコーヒーを焙煎しようとしたり、モーターボートを買ったり、パテックフィリップの機械式時計をコレクションしようと本気で思ったこともありました。

                    だいたいはエネルギーが続かなかったり、お金がなかったりしてあきらめて、そのうち忘れていった夢ばかりなのですが、今読んでいる本は、さっそく生活の中に取り入れることができ、非常に満足しています。それは、もやし。飯塚雅俊著『闘うもやし』は、もやしという身近な野菜に対する無知に気づかせてくれた本です。

                    子供のころから「これがもやし」と思ってきた、「太くて短くて、根っこと豆が付いていない」もやしは、実は比較的最近開発された新しい育成法による「新種」で、昔ながらのもやしは、本当はもっと細くて根っこと豆がくっついている、しっかりした歯ごたえのある野菜なのでした。スーパーのもやしコーナーをよく見ると、少し値が高い(といっても70〜100円くらい)細っこいもやしが売られています。炒めてみると、あまり水が出ず、ちゃんと豆の香りがしました。

                    こういうことはあまり校正とは関係ないように思えて、「本に書いてあることを実際に確かめる」「当たり前と思っていることを疑ってみる」という、知的活動には必須の行動なのだと思います。校正者たるもの、日々の生活の中でも、多様な知識を吸収し、成長していかなければ。というわけで、しばらくはのみかたのもやしブームは続くのです。   (のみかた)

                    | co-verita | 校正者の暮らし | 17:49 | - | - | - | - |
                    最終講義
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                      最終講義

                       

                      大学時代に大変お世話になった先生が3月で退任されることになり、その最終講義を聴講しに先日数年ぶりに母校を訪ねました。周囲の風景は多少変わりましたが、キャンパス内はほとんど変わっておらず、昔の記憶がよみがえってきました。

                       在学当時、私は図書館情報学を専攻していました。あまり耳慣れない言葉だと思いますが、図書館情報学とは、貸し出しなど図書館のサービスや運営、歴史等を学ぶ図書館学に情報の性質や検索、伝達の過程等を学ぶ情報学が結びついてできた学問です。本に関わる仕事がしたいという思いから、司書になるために選んだ道でしたが、周囲の皆さんには迷惑をかけてばかりでした。

                       そんなことを考えていると、先生が教壇に現れ講義が始まりました。講義では、歯医者と併設している図書館、ランドセル置き場がある図書館など、先生が訪れた全国のユニークな公共図書館(北は北海道から南は沖縄県まで全都道府県計772館!)が多く紹介されました。「図書館にそんなに違いはないだろう」と思っていましたが、いろいろあるものです。

                       このように書くと「ナニコレ珍百景」の図書館版みたいですが、「?」のパネルを使ってレファレンスサービス(図書館員が利用者の調べものを支援するサービス)を分かりやすくする取り組み、地元の企業が雑誌を購入する事例など、現場の地道な取り組みの話もありました。そして最後に先生は“If information is currency of democracy, then libraries are its banks”(情報が民主主義の通貨だとしたら、図書館は銀行である)というアメリカの上院議員の言葉を引用し、図書館は銀行とは違って貸し渋りはしません、とまとめました。真面目な中にもユーモアに富んだ講義で、図書館の目指すべき道がよくわかる内容でした。

                       紆余曲折あって、図書館の世界から離れ、現在では校正の世界にいる私ですが、図書館情報学を通して情報とその社会的責任について学んだことは大きかったと思います。そして、目立たないが情報に対して大きな責任を担い、一人一人が主体的に考えて行動するために不可欠な役割を持っているという点で、図書館と校正はよく似ているということを今回の講義で再確認しました。           (てーるはっぴー)

                      | co-verita | 校正者の暮らし | 07:26 | - | - | - | - |
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