語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

外は大変ですが
0

    外は大変ですが

     

     このブログでしょっちゅう体制批判めいたことを書いてきたので、てーるはっぴーは今の世の中に不満しかもっていないのかと思われるかもしれません。確かに今の社会のあり方にいろいろ疑問を感じてはいますが、個人的には割と充実した生活を送っています。特に情報へのアクセス環境は人生最良ではないかと思っています。

     現在私は、自宅で「ジャパンナレッジ」という有料の検索サイトをよく利用しています。日本を代表する百科事典「日本大百科全書」「世界大百科事典」をはじめ、各種参考図書や外国語辞典を多数収録し、横断検索が可能というすぐれものです。今まで図書館などで限られた時間でしか読めなかった辞典類が、家でじっくり読むことができるようになるとは、つい数年前まで考えられなかったことです。これでブリタニカ・オンライン(「ブリタニカ国際大百科事典」と「Encyclopaedia Britannica」などを収録)が個人宅でも使えるようになればいうことありません。

     さらに、自宅や職場の近くには図書館もあります。外では忖度がまかり通っていても、図書館は資料収集・提供の自由を守るという理念の下、思想やイデオロギーの区別なく資料を集めています。館内のごく一部の本しか読んでいないので断言はできませんが、外の世界よりははるかに自由闊達です。

     また、図書館といえば最近、司書の非正規率が約20年で急増しているというツイートが話題になったり、

     https://twitter.com/tmaita77/status/949926073394913280/

    佐賀県武雄市の図書館のずさんな選書等、運営のあり方などがかなり批判されていました。

     図書館をめぐる状況が話題になっていること自体驚きですが、図書館の社会的な役割を評価し、現状を憂える声が多かったのはもっと意外でした。めでたい話ですが、最近の社会情勢を見るとごく一部の流れなのでしょう。詳しくは後日書こうと思いますが、図書館の蔵書数が増えても人の知性に磨きがかかるというわけではないようです。

     そして現在、私は情報を受け取るだけでなく、「語り継ぐVERITA」で情報を発信しています。私が様々な情報から考えるきっかけを得ているように、私の文章は誰かの考えるための一助となっているのでしょうか。

    (てーるはっぴー)

    | co-verita | 本・映画・演劇・音楽 | 11:53 | - | - | - | - |
    10月に見た映画
    0

      こんにちは、のみかたです。

      10月は久しぶりに映画館で映画を見ました。東京都内の、50席くらいのミニシアターでしたが、イスの座り心地がすごくよくて、気持ちよく観賞することができました。そういえば10年以上前に別のミニシアターの会員だったことがあるのですが、そこは床に傾斜がなく、前の観客の頭でスクリーンがさえぎられてしまい、よく見えなかったことを思い出しました。また、入場料がすごく安かったせいか、暇つぶし&寝に来るひとが増えて、だんだん映画を楽しむ人向けでない雰囲気になってしまい、いつの間にか足が遠のいてしまっていたのでした。

      今回見た映画は、友人に勧められたドキュメンタリー映画『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』です。19歳という若さで、イギリスの名門バレエ団・ロイヤルバレエのプリンシパルとなった、ウクライナ出身のバレエ・ダンサー、セルゲイ・ポルーニン。「ヌレエフの再来」と評された美しい踊りと、破天荒な生活・言動で人々の注目を集め、人気の絶頂で突然バレエ団を飛び出した彼の人生を、バレエ関係者や家族のインタビューを交えつつ描く作品。

      とにかく、踊りと体がすごい! 手足の長さが、常人の2倍くらいあるのに、踊っているときにそれを持て余している感じが全然ない。バレエダンサーとしては型破りなタトゥーだらけの体なのだけど、それが彼の生い立ちやイギリスでの苦労などのストーリーと重なると、不思議と違和感なく受け入れることができる。ちなみに映画の副題にもなっている「優雅な野獣」は、ポルーニンのバレエ学校時代の友人が付けたあだ名で、踊りでジャンプをするときの助走が、まるで肉食獣が走りこんでくるような力強さを感じさせ、それなのに空中に飛び上がっているときは神々しいほどに美しく優雅なところから、そう呼ばれるようになったという。

      退団後、さまざまな苦労を重ねた挙句、彼は「Take me to Church」(Hozier)という楽曲で踊るミュージックビデオを発表。これがWEB上で大ヒットとなり、ポルーニンは再び注目を集めることになる。動画はYouTubeなどにアップされているので、ぜひ見てみてください。   (のみかた)

      | co-verita | 本・映画・演劇・音楽 | 21:46 | - | - | - | - |
      【読書感想など】
      0

        【読書感想など】

        こんにちは、のみかたです。カズオ・イシグロがノーベル文学賞を授与されることになりました。ノーベル文学賞って、難しい「文学」って風な人が選ばれるイメージだったので、私にとってはちょっと意外でした。イシグロは、私の中で「人気作家」という感じだったので。彼の作品は、7〜8年ほど前に『日の名残り』を読んだだけなのですが、あれは本当に面白い小説でした。人生における選択と後悔、仕事と使命と個人の幸せと…そんなテーマが、第二次世界大戦前後のイギリスを舞台に描かれます。ストーリーテリングのうまさと華麗な文体もとにかく素晴らしかったのですが、邸宅の執事としてひたすら主人に尽くし、仕事に人生をささげてきた主人公=語り手の微妙な心情の変化と後悔は、当時仕事に悩んでいた私に、ものすごい衝撃を与えました。とにかくおすすめです。

        さて、夏からずっと映画ばっかり見ていたのですが、校正者としてちゃんと活字の本も読んでいます。9月は何冊もの面白い本に出合うことができてラッキーでした。今回は、それらについて書こうと思います。

        1冊目は武田砂鉄著、『紋切型社会』(朝日出版社、2015)。日本社会にあふれる「紋切型」フレーズについて斬りまくった一冊。「育ててくれてありがとう」「誤解を恐れずに言えば」など、いろいろな場所でほとんど疑問も抱かずに発せられ、受け止められているいい加減な言葉たち。それらを掘り起こし、容赦のない批評を浴びせかける武田さんのエッセイは、皮肉がききすぎていて、一気に最後まで読み切ることはできないほどでした。究極的に意地悪な一冊。

        もう1冊は『フィリピンパブ嬢の社会学』(中島弘象著、新潮新書、2017)。書名は「社会学」となっていますが、著者の体験を主観的に記した、ルポルタージュ風の内容。大学で国際政治学を学び、「日本で働くフィリピン女性」を研究テーマに選んだ著者は、フィリピン人ホステスの取材のためフィリピンパブに通ううち、研究対象だったはずのフィリピン人ホステス「ミカ」と恋に落ちてしまう。偽装結婚をしているミカの「夫」や、マネージャーと呼ばれる暴力団関係者たちの目を盗んでデートを続ける2人。大学の指導教官、友人、両親には交際を猛反対される著者。フィリピンに一時帰国するたびに親戚に金をたかられ、苦労して稼いだ金をむしり取られるミカ。そんなある日、ミカはマネージャーから、ホステスとして働くための偽装結婚契約(もちろん違法)を解消するよう、一方的に要求される。摘発→強制送還におびえる彼女は、著者にマネージャー側とかけあってくれるよう頼む。そして2人は裏社会の男たちの待つ、閉店後の店に乗り込む……。しつこいですが、全然学問的な内容ではないのですが、とにかく一気に読んでしまう面白さです。すごくおすすめ。    (のみかた)

        | co-verita | 本・映画・演劇・音楽 | 17:31 | - | - | - | - |
        最近見た映画2
        0

          最近見た映画2

          こんにちは、のみかたです。今回も前回に続いて、映画の話です。そして主にホラー。今週は北欧のホラー映画をたくさん見ました。

          1本目は『処刑山―デッドスノウ―』(2009年、ノルウェー)。雪山の中にある別荘に遊びに来た若者たち。しかしその山には、第二次世界大戦中に悪逆の限りを尽くした末、住民に皆殺しにされたナチスドイツ兵の亡霊(ゾンビ)が眠っていた…。見どころは、残虐シーンの合間合間にはさまれたギャグ。目の前で友人の体が引き裂かれるのを見た若者のセリフ、「海に行けばよかった!」には大笑いしました。見る人を選ぶ映画ではあると思いますが……。

          あと、のみかた的にツボだったのは、日本側の配給会社(?)が、トレーラー映像やキャッチコピーを作るにあたって、完全に遊びまくっていること。トレーラー映像で、ゾンビの群れが雪山を駆け下ってくるシーンがあるんですが、BGMに「第九」を使ってエヴァっぽくしてたり、何よりキャッチの「雪山は、臓物の薫り」って……。

          2本目は『トロール・ハンター』(2010年、ノルウェー)。こちらは『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『クローバーフィールド』などと同じく、ハンディーカメラによる1人称視点でドキュメンタリー風にフィクションを描いていくという、いわゆる「POV(Point of View)」作品。3人の学生が、大学の課題で熊の密猟問題をドキュメンタリーとして撮影しようとする。その過程で出会った一人の男を、学生たちは密猟者と思い追跡するのだが、男が狩っていたのはおとぎ話の中の存在と思われていた、本物のトロールだった……。というストーリー。よく言われるように、POVはハンディーカム撮影による臨場感が恐怖感・サスペンスを盛り上げるのにすごく有効なのです。手ぶれによる画面の不安定さや映像の粗さ、音のがさがさした感じなどが絶妙に緊迫感をあおり、まさに手に汗をにぎる、といった感じ。本作についていうと、夜行性のトロールの姿をとらえるのにハンディーカムを使うことで、うまい具合に輪郭が闇に溶け込んでぼやけたりするので、本物のトロールが本当にそこにいるかのように見える。非常にうまい映像の作り方をしているな、と思わされました。

          どちらの作品もひとひねり、ふたひねりが加えてあって、ホラー好きならきっと好きになる作品です。前者のほうはスプラッターが平気な方なら楽しめるかと。あと、両作品ともノルウェーの作曲家グリーグの曲を使っていたのがなんか面白かったです。  (のみかた)

          | co-verita | 本・映画・演劇・音楽 | 18:40 | - | - | - | - |
          最近見た映画から
          0

            すっかりご無沙汰でした、のみかたです。今回は久しぶりのブログということで、肩慣らしというかリハビリ的に、最近見た映画の話など書こうかと思います。8月は思うところあって、映画DVDを大量に借りてきては見まくりました。2週間で12本くらい見ました。しかも、ほとんどホラー&バイオレンス。このジャンルは当たりはずれが大きい。というかはずれの可能性が他ジャンルに比べて高いのがこの種の映画なので、だからこそ一気にたくさん借りてみた、というわけでもあります。

            友人のすすめもあり、特に集中して見たのが、韓国のナ・ホンジン監督の作品。家の近くのレンタル店には3作品置いてあったので、全部借りました。『チェイサー』、『哀しき獣』そして最新作の『コクソン』。『コクソン』は日本の俳優、國村隼が出演していることもあり、ちょっと前に話題になった作品です。閉鎖的な片田舎で起こる謎の連続殺人事件、村人は村はずれに住む怪しい日本人を疑う…。のみかた的にはいまいちでした。最後まで明らかにならない謎だったり、象徴的な存在が出てきたり、雰囲気はあるのだけど、よくわかんない、という感じ。

            ホンジン監督の長編デビュー作品『チェイサー』は、韓国で実際に起きた連続殺人事件を下敷きにした作品で、こちらはストーリーがとてもしっかりしており、普通に楽しめました。そして暴力シーンの描き方がえぐい。友人とも話したのですが、これは韓国映画の特徴かもしれません。血はとにかくどばっと大量に出るのですが、それだけではなく、暴力に対して、見ていて「うわっ」となるような迫り方をするのです。犯人を追い詰めていく主人公のヤクザのおじさんが、すごくいい人という顔をしていて、見ていて和むのもいいところ。あと、犯人の男がなんとなく評論家の〇市氏っぽかったところもツボでした。

            もう1本の『哀しき獣』はいろいろと勉強になった映画。中国とロシアの境あたりには、延辺朝鮮族自治州という地域があるのだそうです。ここには大勢の朝鮮系の人たち(映画では「朝鮮族」と呼ばれていました)が住んでおり、暮らしは決して豊かではなく、住民の中には韓国に密入国して「出稼ぎ」に行く者が少なくないとのこと。主人公の男はこの自治州でタクシー運転手をしており、韓国へ密入国した妻のために莫大な借金を抱えている。現地の裏社会のボスから借金の清算と引き換えに、韓国に密入国し一人の男を殺すように持ち掛けられて…。のみかたにとって外国映画を見る楽しみの一つは、自分が知らない外国の文化や歴史などに触れられることなので、それだけでもかなり面白かったです。そして、作品の後半、自治州裏社会のボス「ミョン社長」が、韓国ヤクザたちと戦うシーンがあるのですが、使う武器がなんと「牛骨」。友人いわく映画評論家の町山智浩さんが絶賛していたシーンなのだそうですが、食いかけの肉がくっついた牛の骨で5、6人をぼかぼか殴り殺すシーンは、もう思いついたことだけでも「あっぱれ!」という感じ。のみかた的にも、ぜひ見ていただきたいシーンです。     (のみかた)

            | co-verita | 本・映画・演劇・音楽 | 10:42 | - | - | - | - |
                 12
            3456789
            10111213141516
            17181920212223
            2425262728  
            << February 2019 >>
            + SELECTED ENTRIES
            + CATEGORIES
            + ARCHIVES
            + MOBILE
            qrcode
            + LINKS
            + PROFILE