語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

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答弁にもご注目(あとがきのようなもの)
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    答弁にもご注目(あとがきのようなもの)

     

     前回投稿した「答弁にもご注目」、いかがでしたでしょうか。いつものように回りくどい文章ですが、今回はいつも以上に文章の整合性について苦労しました。

     執筆当初、裁量労働制とはいくら働いても労使間で取り決めた「みなし労働時間」分しか給料が支払われず、残業代がつかない制度という認識でしたが、調べてみると、裁量労働制の下でも残業代を請求できるという事例を知り、一瞬動揺しました。みなし労働時間分しか給料が払われないということと残業代がつく、というのは両立できるのか、と。

    https://hataraquest.com/discretionary-labor-system#33

    その後、落ち着いて読み直してみると、

     

    ・深夜や法定休日での労働

    ・みなし労働時間が1日の法定労働時間(8時間)を超えた分

     

    については残業代を請求できることがわかりました。みなし労働時間が1日の法定労働時間を超えた分、というのは例えばみなし労働時間を9時間と設定した場合、9時間以上働いても残業代は1時間分しか請求できない、ということです。

     こういった紆余曲折を経て、結局裁量労働制については「どれだけ長く働いたとしても原則決められた時間分しか給料は出ません」という表現に落ち着きました。裁量労働制の運用実態を見ると「定額働かせ放題」と言い切ってもよさそうな気もしましたが、「原則」とつけることで前述のような残業代を請求できるケース、その他例外的な事例にも対処できるようにしました。

    私の文章をどれだけの人が読んでいるかはわかりませんが、いつも誰かから問われることを想定して書いているつもりです。共謀罪のときもそうですが、問われて答えられないようなものは文章にはしません。結果、腰の引けた文章になったとしても人目を気にせず暴言を垂れ流すよりははるかにましです。

     こうして「答弁にもご注目」を書きあげたわけですが、

     

    ・「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」という「答弁」の論理は、根拠となるデータが正しくても容認してはいけない

    ・「答弁」の論理が受け入れられているとは思いたくないが、似たような話で「戦前の植民地支配はいいこともあった」という言説は受け入れられている(気のせいであってほしい)

     

    ということさえわかっていただければ十分です。そして、ずさんなデータをもってしても裁量労働制の方が絶対負担が減る、もしくは負担が減る可能性が高い、とは政府でさえ言えなかったこともわかっていただければなおありがたいです。

     ちなみに、データに関して言えば、先日加藤厚生労働大臣が撤回したというニュースが入ってきました。とはいっても「答弁」の論理は否定されていないので、新しいデータによって「答弁」が復活しないよう今後も注意が必要です。                               (てーるはっぴー)

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