語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

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日本は好き、でも…
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     サッカーW杯で日本代表が予想外の健闘を見せた中、その報道の陰に隠れた感がありますが、RADWIMPSの「HINOMARU」(←なんでアルファベット?)という曲が批判され、ボーカルの野田洋次郎が謝罪した、というニュースがありました。

     軍歌っぽい内容で物議をかもしているとあるのを見て、また出てきたかという思いでした。前回のW杯でも椎名林檎が歌ったテーマソング「NIPPON」が「この地球上でいちばん混じり気の無い気高い青」等の歌詞で問題になりましたし、つい先日もゆずが「ガイコクジンノトモダチ」(←なんでカタカナ?)なんてしょうもない内容の歌をリリースしていたので。それよりも最初誰のことかわからず「RADWIMPS?野田?いったい誰だ?」という感じで、映画『君の名は。』の主題歌を歌っているバンドということでやっと理解した次第です。

     で、「HINOMARU」の歌詞を見てみると、愛国心に燃えているんですと言いたそうなのは予想通りで、

    http://j-lyric.net/artist/a04ac97/l0469f5.html

     

    「不快な思いをさせてごめんなさい」という趣旨の謝罪文も予想通り。

    https://twitter.com/YojiNoda1/status/1006056258212786176/photo/1

     

    ただ、大した必然性もないのに出てくる「御霊」とか「御国」といった古語のとってつけたような感じは予想以上にひどかったです。強いて言えば「御霊」という単語の意味をしっかり把握できたのは収穫かもしれません。

     腹が立つというより呆れているのが本音で、仮に怒りをぶつけたとしても、悪意なんてみじんもないつもりの野田やその支持者たちは、多分理解しようとしないでしょう(そもそもこのブログを読んでいるはずもありませんが(笑))。もし何か言うとしたら、

     

        国を愛していても日本語を粗末に扱うことは何とも思っていないのか

     

    ということでしょうか。

     「HINOMARU」の歌詞のおかしさについては、すでにいろいろ指摘されていますが(下記URLは一例です)、

    http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56060

    https://buzzap.jp/news/20180608-radwimps-hinomaru/

    https://twitter.com/hayakawa2600/status/1005322548857298944

     

      中でも多く突っ込まれているのが「僕らの燃ゆる御霊」。「御霊」というと「神の霊。人が死んで、その魂が神となったものを尊んでいう。」(精選版日本国語大辞典)とあるように、本来死者の霊魂に用いる敬称です。自分の魂に敬称を使って神格化しちゃっているわけですが、おおかた野田の無知からくる誤用でしょう。ひょっとしたら何か思惑があって本来の意味から逸脱したのかもしれませんが、野田は前述の謝罪文で歴史の上に成り立っているという想いをこめて古語を使ったと書いているので、その可能性はなさそうです。歴史を踏まえているつもりなら「御霊」の意味ぐらい調べとけって話です、仮にもプロのシンガーソングライターであるならば。

     で、「傷ついた人達、すみませんでした」と謝ったけど歌詞の変更はない、ということは俺の無知の方が日本語よりも尊い、というメッセージを発しているのと同然だと思うんですけど、それでいいんですかね。日本語を神聖視する必要はないけど、愛国心という名目で自分の無知を正当化するような人が幅を利かせるような世の中はごめんですね、私は。                   (てーるはっぴー)

     

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