語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

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馬鹿にするにも程がある
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    馬鹿にするにも程がある

     

     安倍首相曰く、自衛隊員が自分の子供に涙ながらに憲法違反なのかと聞かれた。本当にそんな話があったのかと国会で議論になったそうですが、正直そういう話があったかどうかについてはさほど気にしていません。確かに根拠を示さずあやふやな話を持ち出すのは問題ですが、自衛隊は合憲か違憲かという議論があれば、自衛隊員の子供が親に自衛隊は違憲なのかと聞いても不思議はありません。涙ながらに質問した可能性もないとは言えません。

     でも、改憲の理由にするのはダメです。自衛隊員が憲法違反かと子供が聞くような状況を作ったのは日本国憲法ではありません。人間です。

     日本国憲法を制定する際、憲法は自衛戦争をも放棄したと説明した後、警察予備隊(自衛隊の前身)を創設したのは吉田茂内閣です。憲法が自衛隊を作れと命じたわけではありません。そして、吉田内閣以降、自衛隊は憲法に適合しているとしてきたのは歴代政権です。憲法が自衛隊は合憲であると説いているわけではありません。よって現在の状況の責任を負うべきは人間の側にあります。このように一連の流れを見たら、子供でなくても「無理が通れば道理が引っ込む」とか「横車を押す」としか見えないと思えますが、違うんでしょうか。

    そもそも自衛隊員が子供に憲法違反と聞かれたから一体どうだと言うんでしょうか。答えに窮するとでも?自衛隊員を馬鹿にし過ぎでしょう。

     日本国憲法99条には公務員は憲法を尊重し擁護する義務を負うと明記されています。また、自衛隊員は入隊時に憲法および法令を遵守することを誓う義務があります(自衛隊法施行規則第39条)。よって、自衛隊員は自衛隊がなぜ合憲と言えるのか、合理的な論理を構築したうえで入隊しているはずであり(違憲だと思っている人はそもそも入隊しない)、子供の質問に対しても理路整然と自衛隊が合憲であると説明できるはずです。万が一答えられない隊員がいたとしたら、即刻憲法違反でクビです。

     ところで、子供に質問された自衛隊員は何と答えたのか、についてはほとんど話題になっていません。安倍の話の元ネタはこの方の話といわれていますが、それによると、「素直に読めば自衛隊は違憲だけど、しかしながら必要だろ」とのこと。直後に「僕自身が違憲だと思っていたんだから」とも言ってます。

    https://www.youtube.com/watch?v=rDw2dWCpMpg

    (5:46から)

     

    ……。前向きにとらえれば、自衛隊員の目から見ても、自衛隊は違憲だと思うと認めたのは収穫かもしれません。

    (てーるはっぴー)

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