語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

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 まだ遅くはない
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     まだ遅くはない

     

     今回は当初『週刊ポスト』9月13日号の特集について書こう、と思っていましたが、筆が一向に進まぬうちに理路整然とした怒りの声が次々と出てきて、書くことがない、どうしたものかと考えているうちにこんな記事を目にしました。

    https://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/20190907-OYT1T50084/

     

     マラソングランドチャンピオンシップで、熱射病の症状が出ている選手のためにゴールに氷入りの風呂を置くそうですよ。で、オリンピックでも実施する見通しだというのですよ。

     オリンピック絡みでは今までも信じられない話があったので、もう驚くこともないと思っていましたが、それでもこの記事には絶句しました。とうとうバラエティ番組のネタにまで進出したかと。熱湯風呂から飛び出て、氷の入ったタライに駆け寄るダチョウ倶楽部を想像しちゃいましたよ。

     底が抜けているとしか思えませんが、ここで一旦冷静に。スポーツのことも熱射病のこともよく知らないのだから、簡単に馬鹿馬鹿しいと決めつけてはいけません。歴史関係でろくな証拠もなく生半可なことを吹聴している人たちの醜態はよく見てきたはず。

     少し調べてみたらこんなのを発見。

    https://www.japan-sports.or.jp/Portals/0/data/supoken/doc/heatstroke_0531.pdf

     

     この『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック』(以下、『ガイドブック』)では、「熱射病が疑われる場合の身体冷却法」として氷水浴法を推奨しています(P9)。どうやら荒唐無稽な考えとは言えないようです。

     でも…『ガイドブック』にはこんなことも書いてありました。「いったん熱射病を発症すると、迅速適切な救急救命処置を行っても救命できないことがある」(P6)と。前述記事の日本陸連の山沢医事委員長の「こうした暑さ対策こそマラソンのレガシー(遺産)」という発言はやはり能天気と思われても仕方がないのではないでしょうか。語るべきは「レガシー(遺産)」なんて抽象的な表現じゃなくて、氷水浴法にどのような効果があるのか、過去にどれだけ利用されてきたのか、についてでしょう。そして氷水浴法は万能ではないということをきちんと伝えるべきでしょう。

     最後に。既成事実が積み重なっているのを承知で書きます。

     東京オリンピック、やっちゃダメなんじゃないですか?専門家が科学的な知見を語らない(語れない?)。この一点だけでも再考に値するとは思いませんか。

    (てーるはっぴー)

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