語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

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江戸川区松島の暗渠探索
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    江戸川区松島の暗渠探索

     

     子どものころから鉄道・地図・地理が好きで、そこから派生的に、建築・トマソン・街歩き・廃墟・工場・暗渠・鉄塔・マンホール・スリバチ地形等にも興味を持つようになった。

     暗渠という言葉は以前から知っていたが、特に意識的に書籍や雑誌を読んだり、歩いてみたりするようになったのは、2016年5月22日、知人の演劇公演で、暗渠(藤右衛門川 他)を題材にした作品を見てからだ。その公演には、暗渠についての著書を出版したばかりの暗渠マニア2人と、担当編集者も来場していた。脚本家でもある劇団の座長が、脚本を書く上で、ネットで調べものをしていた際に知り合って、招いたようだ。

     自分も出版業界にいるので、終演後に3人と名刺を交換し、以後、マニアの2人が主催、または出演する暗渠のトークイベント等に参加するようになった。と同時に、自分でも暗渠を見つけたときに、入り口の写真を撮ったり、時間的余裕があれば歩いてみたりするようになった。有名どころでは、桃園川、弦巻川、谷端川、前谷津川、北沢川などの暗渠だ。

     東京23区の西側(=山の手台地の上)を流れる(または流れていた)暗渠では、川が谷を削ったダイナミックな地形を楽しむことができる。暗渠についての書籍でも、それらの暗渠が多く扱われているし、トークイベントでも、それらの暗渠が話題に取り上げられることが多い。

     対して、筆者(=江戸川区平井在住)の住む下町では、ダイナミックな地形は望めない。しかし「川の手」という言葉があるように、下町にも水路や暗渠自体はそれなりにある。であるならば、下町ならではの暗渠探索、暗渠の楽しみ方があっていいはずだと考え、実践するようになった(若干、天の邪鬼的ではあると思うが)。

     

     2月17日、江戸川区総合文化センター(江戸川区中央)で、所属する吹奏楽団の練習に参加した帰り道に自転車で、以前にも数回は通ったことのあるはずの道路(江戸川区松島4丁目付近)を走っていると、暗渠っぽい(←暗渠には、暗渠であることを示すいくつかの「サイン」が見られる場合がある)小道に気がついた(写真1)。入り口の手前左側に見える、飛び出た水栓(?)も気になる。時間があるので入って歩いてみることにした。

     古い家はこちらの道に背中を向けているし(暗渠サインの1つ)、公園が面しているのにこちら側からは柵があって入れないし、車止めも現れた(暗渠サインの1つ。写真2)。というわけで、どうやら暗渠と断定してよさそうだ。

     その先は「不自然に広い歩道」(暗渠サインの1つ)につながっていた。歩道にも点々と車止めが設置されている(写真3)。車止めは暗渠の入り口にはよくあるが、こういうのは見た記憶がない。

     もう少し進むと、不自然に広い歩道は、道の右から左側に移動。猫がいた(「ニャン渠」と呼ばれる。写真4)。

     左側に移った歩道は、先ほど右側にあったときより幅が狭いが、こちら側にも車止めが設置されている(写真5)。

     さらに進むと、少し開けた場所に出た。右に見えるのは新中川の堤防である(写真6)。新中川につながっているのだろうか。いや、正面に見える木の左前方へとまだ続いているようだ。

     道が蛇行していて、ここもまだ暗渠っぽい(写真7)。と思ったら、行く手に何か大きな建物が見えてきた(写真8)。

     東京都下水道局 西小松川ポンプ所であった(写真9。写真8で正面に見えていたのは、この写真9では左側の、影になっている壁である)。きっとこのポンプ所に地下でつながっているに違いない。

     何気なく入ってみた暗渠だったが、予想外のクライマックスが待っていたおかげで、大変に満足し、帰途についた。短いながらも、なかなかにドラマチックな暗渠探索であった。(command Z)

     

     

     

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