語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

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アタリがつく?!
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    アタリがつく

     

    校正の仕事ではいろいろな文章を読みますが、最近になって、自分には「得意なジャンル」と「不得意なジャンル」があるなあ、ということに気づくようになりました。誤字・脱字やページの体裁などの問題は、誰でも同じように赤ペンで直しをするわけですが、それ以外の、鉛筆で書き込むレベル、つまり「こうした方が適切ではないですか」「正確ではないですか」というような指摘は、校正者の個人的なバックボーンというか、「この分野はちょっと知ってるぞ!」ということが、モノをいうところがあります。社内では「アタリがつく」などと言っているのですが、文章のジャンルにアタリがつく校正者が読んだ時には、内容にまで深く踏み込んだような指摘を、ぱっと出すことができたりするのです。

    のみかたは、少し翻訳をかじっていたことがあるので、翻訳ものの文章を校正するときにはアタリがつくことがあります。日本語の文章を読んでいて「ここの意味、よくわからないな…」となったときに、「原文の外国語は、きっと〇〇でしょう。それなら●●という訳語の方が正確では?」という指摘を出したりするのです。

    実際にあった例ですが、世界の伝統建築についての文章を校正しているときのこと、海からかなり離れた内陸部で、マグロのペーストを使った家を建てる、という文章が出てきたことがありました。これはおそらく、別の材料だろうな、と思われたので、マグロに対応する英語 tuna を調べたところ、同じつづりで「ウチワサボテンの実」を意味する tuna というスペイン語(たしか)の単語があることがわかったのです。

    こういう指摘を出せたときは正直とてもうれしいものですが、あまり内容にこだわっていると、単純な誤字を見落としてしまうこともあるようで、一文字一文字見ていくというのが、やはり基本になるのだと思います。

    ところで、テレビで米国の総合格闘技の試合を見ていた時、実況解説者のコメントに合わせて出てきた字幕に「青コーナーの選手が所属しているのはプロレス系のジムですが、ここのジムは最近打撃の練習を強化しており…」という記述がありました。推測するに、これは「レスリングの練習を重視しているジム」の意味で pro-wrestling gym と言ったのを「プロレス」と訳してしまったのかなと…。アタリがつく方がいたら、教えてください。(のみかた)

     【管理人より】

    へーぇ、「アタリがつく」といういい方をするとは寡聞にして知りませんでした。「proー」については、「〜賛成の、〜ひいきの」(研究社「リーダーズ英和」)という意味の前置詞ではないでしょうか? かつてはよく「あいつはプロスタだ」などと悪罵したりしたものでした。もっとも、(のみかた)君の話の文脈には今一つ合っていませんネ……。

     

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