語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

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共謀罪について思うこと(その2)
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    共謀罪について思うこと(その2

     

     共謀罪法案が閣議決定されたことを報じる3月22日の新聞記事の中に、菅官房長官の次のような発言が載っていました。

     

    「法案に対する不安や懸念を払拭する内容で、かつての共謀罪とは明らかに別物だ。一日も早い法案の成立をめざす」

     

     以前の共謀罪法案と同じような批判がある時点で既に「不安や懸念を払拭する内容」ではないと思うのですが、他にも疑問はあります。

     今回の法案は処罰する対象を新たに「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」と規定し、共謀だけでなく資金の手配や下見などの「準備行為」をした場合に適用するとしています。しかし、実行する前の段階で幅広く処罰する点では以前の共謀罪法案と変わりがありません。共謀罪法案を支持する産経新聞も、今回の法案を「共謀罪の構成要件を厳格化した」と表現しており、「かつての共謀罪とは明らかに別物」とは見なしていません。

    http://www.sankei.com/column/news/170407/clm1704070002-n1.html

     

     それに過去3回共謀罪法案を出したのに、なぜ今回は方針を転換して「かつての共謀罪とは明らかに別物」を提出するのでしょうか。なぜ「かつての共謀罪とは明らかに別物」が不安や懸念の払拭につながるのでしょうか。

    菅官房長官の記者会見によると、正当な活動を行う団体が対象になるとか、内心が処罰されるという指摘に耳を傾けた結果、

    ・対象となる団体を条文上「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」に限定することで正当な活動を行う団体が適用対象外であることを明確にする

    ・計画に加えて実行準備行為があった場合に初めて処罰するとしたことで内心を処罰するわけではないことを明らかにする

    ・処罰対象とする犯罪を限定する

    等の対策を施すことで不安や懸念が払拭され「かつての共謀罪とは明らかに別物」となったそうです。

    http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201703/21_a.html

     

     記者会見を見ても「かつての共謀罪とは明らかに別物」とは思えませんでしたが、それよりも今回の法案で正当な活動を行う団体や内心が処罰されないことを明確にしたということは、以前の共謀罪法案が曖昧な代物だったと認めたのと同じではないでしょうか。曖昧な法律は恣意的に解釈される危険が生じるし、人を処罰するような法律の内容は明確でなければならない、という「明確性の原則」があるはずです。

     しかし、官房長官は政府が間違っていたとは言いません。耳を傾けた、というと聞こえはいいですが、反省していないのなら上辺を取り繕っているにすぎません。結局のところ法律がどういう風に扱われてもかまわないのでしょう。

     「かつての共謀罪とは明らかに別物」は、6月末の今国会会期末での成立をめざしているそうです。閣議決定からわずか3か月。こんな短期間でまともな議論ができるのでしょうか。

     以上、菅官房長官の発言から私が感じた様々な疑問を拙いながら書いてみました。次回は、共謀罪法案があっても私達とは関係ないのではないか、という疑問に対して問題提起していきたいと思います。

    (てーるはっぴー)

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