語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

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マンガ考(3)
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    【マンガ考3】

    漫画家たーしによるコミック作品『ドンケツ』は、2011年から隔週刊青年漫画雑誌「ヤングキング」で連載中のやくざマンガ。主人公は、何物にもしばられず自由気ままに暴力をふるうならず者、「ロケマサ(ロケットランチャーのマサ)」こと孤月組の沢田マサトシ。作品の筋は、基本的にやくざ同士の小競り合い、抗争、そのほか「腕っぷしの強いやつがえらい」という価値観に貫かれ、一般人とはかけ離れた日常生活などを描いています。

    基本的に殴り合いのシーンが多い作品ですが、のみかたが好きなのは、せりふのやり取り。特に、暴力による威迫力を前提にした「からみ方」の描写は秀逸です。

    たとえば第14巻、ロケマサが、彼に匹敵するならず者で組の同期である「チャカシン(チャカのシンノスケ)」こと山倉慎之助と、敵対する組織の幹部小田切にケンカを売りにいくシーンは、本当に「いやーな」からみ方をしていて、読んでいてにやにや笑いが止まらなくなります。小田切の名前をわざと間違える→小田切が余裕を見せて口走った「好きに呼んでください」という言葉に付け込んで「ゴミ」「ウジムシ」「聖子ちゃん」など、子供みたいなあだ名で呼ぶ→冗談だ、笑えと迫る→小田切の悪事(シャブ=覚せい剤の取引)についてほのめかす→小田切が笑って受け流そうとすると→「何を笑いよんじゃ。変なテンションやのう。シャブでも食うとらせんか?」→小田切から「バカじゃねえの」の一言を引き出す→「だれにバカやらいいよんじゃ。このくされボケがァ」でぼこぼこに。

    こういうからみ方、昔読んだアーネスト・ヘミングウェイの作品「殺し屋」を思い出しました。あの短編では、裏切り者を殺しにやってきたマフィアの殺し屋2人組が、男の居場所を知っているレストランのシェフとボーイに延々といやがらせをするシーンが描かれています。漫才かお笑いコントのようなやりとりが楽しめるとても面白い作品です。『ドンケツ』ファンには「殺し屋」を、「殺し屋」を楽しんだことのある人には『ドンケツ』を一読されることをおすすめいたします。  (のみかた)

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