語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

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共謀罪について思うこと(その5)
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    共謀罪について思うこと(その5

     

    5月23日、衆議院本会議で共謀罪法案の修正案が自民党、公明党、日本維新の会の3党の賛成多数で可決されました。3党は6月18日の国会会期末までに法案を成立させる方針ですが、日程的に厳しいことから、小幅の会期延長も視野に入れているようです。

    先程、「修正案」と書いたように、共謀罪法案は多少「修正」されています。自民・公明・維新の3党の修正協議の結果、条文の本則に取り調べや捜査での適正の確保に十分に配慮する義務を、付則に取り調べの録音、録画(可視化)やGPS捜査の制度化の検討がそれぞれ盛り込まれました。さらに法律施行時に適切な運用を求める付帯決議案もついています。

    https://www.komei.or.jp/news/detail/20170520_24271

    https://www.jimin.jp/news/parliament/135010.html

    http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/syuuseian/3_557E.htm

     

     日本維新の会の松井代表は、「何とか国民の権利を守れる形を作りたいと思っていたんで、『原案修正なし』よりよっぽど良かった」と語っています。

     しかし、僕に言わせてもらえば、何もしていないといっても過言ではない内容です。取り調べや捜査を適正に行うなど当然の話です。取り調べの可視化にしても、具体的な内容や施行日時は明記されず、ただ「検討する」「努力する」としているだけ。仮に実現できなくても問題ない体裁になっています。

     法案を通そうとする側が、取り調べや捜査の現状についてまともに考えていないのは、国連特別報告者、カナタチ氏の書簡への反論にもよく表れています。カナタチ氏は共謀罪法案について、裁判所が極めて容易に令状を発付できる等、様々な問題点を指摘していますが、菅官房長官は具体的に反論せず(できず?)、「書簡の内容は明らかに不適切」としか言いません。裁判所が実質ノーチェックで令状発付を許可するというのは以前から批判されていたことで、人権問題として是正しなければいけない問題です。仮に問題ないというのなら明確な根拠をもって正当性を立証すべきでしょう(冤罪事件が起きている以上、正当性を言い立てるのは不可能だと思いますが)。

     共謀罪に賛成か反対か、という以前に昔から指摘されていることさえ一顧だにされていない、というのが日本の現状です。そして「何か背景があって出されたのでは」などと官房長官が口にし、それに対してきちんと私たちが追及できない、というのも日本の現状なのだ、と考えつつ次回も続きます。

    (訂正)前回の記事中、パッサス氏のコメントで「そのような法律がなければ、新法の整備の必要だ」とありますが、正しくは「そのような法律がなければ、新法の整備が必要だ」でした。校正者の文章なのに校正モレで、お詫びします。  (てーるはっぴー)

     

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