語り継ぐVERITA―校正者の独り言―

怒りについて
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    怒りについて(2018/10/7)

     

     いつ頃からだろうか。何かに怒ろうとすると、他人の顔を思い浮かべるようになったのは。怒りに共感するのでも反発するのでもない。菅官房長官のような表面的な冷静さでやり過ごす顔。そして意見の内容を見ずにそんな「冷静さ」を黙認する人々の顔。

     「冷静な」意見があるのは以前から知っていたが、相手の顔はそれほど意識していなかった。でも、「全く当たらない」「粛々と」といった言葉を使って質問にまともに答えない菅の話しぶりを見ても大して怒りの声が上がらない(最近でいえば安倍首相の「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだとは私が言ったことはございません」という発言に対しても)のを見ていると、どんな思いで、どんな顔をして見ているのかと不思議に思えてくる。いくら何でも静か過ぎる。日常生活で菅や安倍のようなことをやったらもっと怒るんじゃないのか。

     いや、立場を変えて自分が怒られることを考えると、全く理不尽とは言えないのかもしれない。正面から怒りを受け止めるより、少し引いて遠目から相手が怒っているんだと見ていると多少は気が楽になる。

     また、元来の無神経さが災いして、自分では悪気のない行動のつもりでも人を怒らせてしまうことがよくあったが、なぜ怒られるのか分からず戸惑ってしまい、ただ怒られたというネガティブな印象だけが残ることがよくあった(無論悪いのは自分)。もっとも自分が悪いことをしたという自覚があっても、相手の怒り方が悪いというように責任転嫁することもある(当然自分が悪い)。

     個人的な体験であり、他人が同じことを考えているのかは分からないが、誰もが怒られて楽しい思いをしたり、なぜ怒られたのかを正しく瞬時に理解できる、というのは考えられない。怒りを避けようとする感情から菅のような「冷静さ」を身につけたり、支持したりするのではないだろうか。そんなことを考えるようになって、率直な感情をぶつけるのは家族やごく一部の人たちだけになった。

     また、社会的な問題に対して怒っていると、気恥ずかしさを感じる。いろんなことに怒ってきたが、年を重ねてくると、大した人間でもない自分に何かを怒る資格があるのか、なんてあるのかと思えてくるのだ。自分の怒りなんて日頃の情けなさを隠蔽するためのポーズに過ぎないと思うことさえある。

     それでも。

     だれがどんな顔をしているか、自分にその資格があるのかとは関係なしに、

     怒ることは大切だ。

    (てーるはっぴー)

    | co-verita | - | 19:29 | - | - | - | - |
    台湾でストレッチをやってみた
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      台湾でストレッチをやってみた(2018/9/22)

       

       大坂なおみが全米オープンで優勝して大きな話題になっている中、もう一人海外で話題になった日本人がいます。その名は藤井実彦。台湾の台南市に建てられた慰安婦像に蹴りを入れたとして、現地では謝罪を求めて抗議デモが起きる事態になっています。蹴った時の動画や画像も出回っています。

      https://www.youtube.com/watch?v=e6WdlkrrFU8

      https://www.youtube.com/watch?v=BjGZCBd1-oY

       

       抗議されて当然の行いなんですが、驚いたのは藤井の言い分。足をストレッチしていただけというのです。

      https://japanese.joins.com/article/987/244987.html?servcode=A00&sectcode=A00

       

       人やモニュメントに足を向けてストレッチするなんて初めて知りました。たとえ悪意がないにしてもかなり無礼な行為だと思います。まして藤井は慰安婦像に対して嫌悪感を持っていることを公言しているのだから、

      https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180910/soc1809100003-n1.html

       

      百歩譲ってストレッチをしていたとしても、慰安婦像に対して悪意を持ちながらやっていたと考えるのが自然です。

       と思っていたら、画像が加工されている、なんて主張が出てきました。

      https://twitter.com/hasumi29430098/status/1039076286386200577

       

      もっとも、加工前の元画像は持ってないし、

      https://twitter.com/hasumi29430098/status/1039148306956341248

       

      「画像や動画に加工があったかなかったか、第三者が調べないといけないね」とのこと。

      https://twitter.com/hasumi29430098/status/1040108806389133312

       

       それに、動画を見ると、藤井はカメラを持った人物の前で慰安婦像を指さしてから足を出しています。足をストレッチしていたとしたら、直前の手の動きは意味がないように思えます。動画に映っているとおり、これから標的にするぞと慰安婦像を指さし、蹴りを入れる様子を撮らせていた、と考えるのが自然な気がします。

       とはいえ、これは私の推測です。一応報道では藤井の言い分は載っていますが、藤井本人が直接情報を発信していないかと探していたら、なんと藤井はツイッターのアカウントを削除。さらには所属していた「慰安婦の真実」国民運動からも「客観的に見て不快感を与える不用意・不適切な行動」と指摘され、藤井は同団体の幹事を辞任したそうです。

      http://ianfu-shinjitu.jp/(2018/9/12「台湾の慰安婦像に関わって発生した問題について」)

       

      この段階でも藤井は「画像や動画の検証を個人的に行いたい」と主張していますが、先方が防犯カメラの映像を提出するわけがないし、藤井は検証する側の人間ではありません。

       そして今に至るまで雲隠れしているわけですが、自分のやってることなんてせいぜい日本国内でしか通用しないということが分かっていないのが痛いですね(日本では通用してしまうところは情けない)。もともと公開討論が目的で訪台したのだから、さっさと表に出ろと言いたいですが、お仲間の杉田水脈も雲隠れ中だし、当分は出てこないでしょうね。

      (てーるはっぴー)

      | co-verita | 社会の動き | 19:27 | - | - | - | - |
      最近の失敗談
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        最近の失敗談(2018/9/8)

         

         

         前回、公明党の徳田市議の発言を取り上げたのは、発言内容のひどさに腹が立ったからですが、ネット上での情報の伝わり方に違和感を覚えたからでもあります。徳田の発言を知ったのがこちらのフェイスブック上の投稿であることは前述のとおりですが、

        https://www.facebook.com/100004228623348/posts/1060074190810192/

         

        芦屋市議会の動画中継のリンクは張られていません。そしてこの投稿がネット上に拡散していました。実際の徳田の発言を中継で聴いた感触としては、大意に違いはないが、ネット上でデマが拡散されている事例を見てきた経験から、やはり原典を明らかにし、読み手に提供することが大事だと考え、市議会の中継をリンクしました。

         原典に当たる。正確な文章を書く際には不可欠なプロセスです。しかし、ただ原典に当たるだけでは不十分で、じっくり読み、正確に文意を理解することが必要です。当たり前の事じゃないかと思われるかもしれませんが、先日それができていなかったために失敗してしまいました。

         事の発端はニュースサイト「BUZZAP!」で、早稲田大学の学生が「東京五輪学生ボランティア応援団」(以下、「応援団」)というサイトを作ったという記事を読んだことでした。

        https://buzzap.jp/news/20180820-tokyo-olympic-volunteer-ouendan/

         

        「あなたのオリンピックへの考え方も大きく変わることになるかもしれません」という言葉に押されるように、「応援団」にアクセスしざっと読んでみると、

        https://2020volunteers.netlify.com/

         

        「このやりがい先進国・日本で「美しい五輪」が実現することを大変心待ちにしています」とか、「「絆」さえあれば人間は、艱難辛苦にも耐えられるはず」という文言が。いろいろ問題点が指摘されている東京五輪のボランティア募集でも擁護する声はあるとは思っていましたが、あまりに能天気な論調に軽く眩暈を覚えました。

         しかし数日後、早大生がパロディサイトで東京五輪に痛烈皮肉という記事を発見。

        http://lite-ra.com/2018/08/post-4209.html

         

         あれっと思って、「応援団」を再訪。今度は初めから終わりまで読んでみると、「最後に」の中で「竹槍根性」「今更サマータイムを導入しようと躍起になる政治家」「聞こえのいい言葉に簡単に騙されてしまう国民」と思いっきり皮肉っているじゃないですか。自分自身3カ月前に日大アメフト部の悪質タックル問題を通して世相を皮肉ったばかりなのに、気づかないとは何たる失態。こちらの誤読で能天気などと思って、「応援団」を作成した松本海月氏には誠に申し訳ない気持ちです。すみませんでした。

         今までの論調からして、「BUZZAP!」はオリンピックのボランティア募集に批判的だとは思っていましたが、件の記事には「応援団」が皮肉の意図で作られたとは明記されていなかったため(皮肉であると分かるように、最後まで読むようにと書いてありますが)、「BUZZAP!」が「応援団」を揶揄している記事だと誤読してしまいました。この思い込みをもったまま「応援団」を読んだため、全体に目を通さず真意を理解できませんでした。自分の読解力の無さには本当にがっかりです。

        (てーるはっぴー)

        | co-verita | 社会の動き | 19:23 | - | - | - | - |
        ゆるい話題からの…
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           暑い日が続いています。北半球の夏だから暑いのは当然なんですが、今年の暑さは災害級だそうです。体感的には過去にも同じくらい暑い年はあったと思いますが、いつもより早く暑さが訪れたような気がします。屋内では冷房が欠かせませんが、冷気で気管支をやられたのかここ数日絶えず咳が出て、病院で診てもらおうとしたら折悪しくお盆休み。市販の咳止めを飲んで過ごしていますが、幸い回復に向かっています。

           …と、ゆるい話を書こうかと思っていたら、聞き捨てならないニュースが飛び込んできました。芦屋市議会で公明党の徳田直彦市議会議員が「図書館の自由に関する宣言」(以下「宣言」、こちらで読めますhttp://www.jla.or.jp/Default.aspx?TabId=232)を「軍国主義への反動のあまり、今からすればいかがかと感じられるような内容になっている」などとのたまった、というのです。

          https://www.facebook.com/100004228623348/posts/1060074190810192/

           

           ホンマかいなと思って芦屋市議会のネット中継を確認すると、「宣言」中の図書館界が戦前知る自由を妨げた歴史を反省している部分を引いて、「戦時中の軍国主義ですね、戦時中・戦前の、それから思想・報道の統制ということに対しての反動的な、こんなこと言ったら言い過ぎか分かりませんけれど、そういう風な、今の時代から見たらそういう風な感を覚えるような内容になっておりまして」と笑いながら言っています(中継の42:14から44:01あたり)。

          http://smart.discussvision.net/smart/tenant/ashiya/WebView/rd/result.html?keyword=%E5%BE%B3%E7%94%B0

           

          「いかがかと感じられる」とは言っていませんが、揶揄や軽視のニュアンスは感じられました。敗戦から70年が過ぎ、今どき軍国主義や思想統制もないだろう、と言いたげな。

           しかし、軍国主義や思想統制のもたらした惨禍を考えれば、反省するのは当然の話。まして敗戦から70年過ぎ、戦前の記憶が風化しかけているからこそ過去の歴史を知ることが一層重要なのではないでしょうか。公明党の終戦記念日アピールにも、軍国主義によって植民地支配と侵略を進め多くの人々に損害をもたらした事実から目を背けず、二度と同じことを繰り返さない旨書かれていますが、

          https://www.komei.or.jp/komeinews/p8347/

           

          これも軍国主義に対しての反動的な、と笑うのでしょうか。

           それについ最近も思想的な理由で、司書が恣意的に図書を廃棄したり、教育委員会が学校に対し閲覧制限をかけたりした事例があったことを考えれば、徳田が現在の図書館が置かれている状況をいかに他人事として捉えているかがよく分かります。公明党や創価学会関係の図書だけ廃棄された、というニュースに接したら目の色も変わるのでしょうが。

           現在、高知県立大学図書館の蔵書焼却の件は結構話題になっていますが、徳田の発言はそれほど話題になっていません。個人的には前回取り上げた杉田水脈の発言と同じくらい注目されていい発言だと思っています。最悪でも公明党は徳田に指導くらいはすべきでしょう(現時点で処分を下したという話は聞いていません)、杉田の暴言に対しては一応指導はなされたのですから。      (てーるはっぴー)

           

          | co-verita | 社会の動き | 16:36 | - | - | - | - |
          杉田水脈の暴言を許す土壌
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            「誤解を与えてすみません」「不快な気分にさせたとしたら申し訳ない」。言葉を受け取った側に落ち度があるかのような「謝罪」は何度も見てきましたが、下には下がいました。杉田水脈議員のLGBTに関するツイート取り下げの件です。もはや謝罪の形さえありません。

             先日、杉田は「新潮45」2018年8月号でLGBTは子供を作らないから生産性がないと主張して批判されました。当初は自民党の大臣クラスからも励まされ、「自民党の懐の深さを感じる」などとツイートしていましたが、その後事態は急転。7月23日、ゲイと名乗る人物から脅迫されたとして、警察と相談した結果、一連のLGBTに関する投稿はすべて削除したと発表しました。

            https://twitter.com/miosugita/status/1021213480571973633

             

             しかしこの対応、大変支離滅裂な代物です。今回微力ながら批判を試みてみます。

             まず、一連のLGBTに関する投稿をすべて削除、というのは嘘です。杉田は3年前にも自分のブログに「LGBT支援策が必要でない理由〜私の考え」と題して「生産性のあるものと無いものを同列に扱うには無理があります。これも差別ではなく区別です」と主張していますが、こちらは消されることなく残っています。

            http://blog.livedoor.jp/sugitamio/archives/8107881.html

             

            前述の「新潮45」の文章も撤回していませんし、こんな動画も普通に見られます。

             

            https://www.youtube.com/watch?v=Ci5-FYrrx7U

             

            生産性がないという主張に加え、LGBTに関する教育は必要ないとか、同性愛者の子供の自殺率が高いという話を笑いながら紹介しています(LGBTに関連する発言は5:25ごろから)。

             また、「脅迫があったからツイートを削除する」という言い分もおかしい。脅迫(これ自身ほんとうに脅迫なのか実態は不明です)がある前は持論を展開していたわけで、どちらにしても警察に忠告されて不本意ながらツイートを削除したのが丸わかりです。しかも先に述べたような文章や動画を残しているのを見ると、自分の身に危害が及ぶなんて真面目に考えていないといわれても仕方がありません。

             後日、自民党からの指導に対し、杉田は「真摯に受けとめ、研鑽に努めたい」などとコメントしていましたが、これもどうとでも解釈できる内容です。一見誤りを認めているようでいて、謝罪はしていないし、なぜLGBTは生産性がないのかという考えに至ったかも示していません。それに3年前から繰り返している主張なら、ご本人はそれなりに確信をもって発言していたはずです(大して非難されないだろうと高をくくっていた可能性もありますが)。間違いを認めるのならきっちり謝る、正しいと思っているのなら堂々と信念を開陳するのが筋でしょう。

             杉田の暴言は、「生産性がない」という部分が多く非難されていますが、非難に対する杉田の対応ももっと批判されるべきだと思い今回言及しました。政治家の暴言や失言がなぜ続くのか、その背景にもっと注目が集まるきっかけになれば幸いです。    (てーるはっぴー)

            | co-verita | - | 10:39 | - | - | - | - |
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